会計学
◆科目概要
東京都を除く地方上級試験、及び国家U種試験では1問たりとも出題されない科目です。なお東京都T類でもあくまで選択科目(3問)ですので、避けることが可能です。
つまり公務員試験における会計学は、ほとんど「7問必須の国税専門官試験」のためだけに存在する科目ということです。国税専門官の志望度が最下位の受験生は勉強する必要性は皆無です。
一方、本命は他の試験種ではあるが、そこそこ国税の志望度が高い受験生は、主要科目を十分やり込んで時間的にかなり余裕がある場合は、学習した方がいいでしょう。併願受験者においては、いわゆるその程度の科目です。
逆に、国税専門官にマジでなりてぇ受験生は、7問必須の会計学を捨てることは極めて危険です。会計学を捨てて合格する受験生も実は結構いるんですが、国税が本命であれば、常識的に考えて勉強しないとダメです。5問は取りに行きたいところです。
では会計学は難しいのか?というと、公務員試験における会計学は、覚える量もそれほど多くなく、難易度は高くないと言えます。しかし、会計学は簿記の知識が全般的に要求されるため(特に「仕訳」は簿記の知識が必須)、簿記を全く知らずに会計学を学習しようとすると、かなり苦しむことになります。
要求される簿記レベルは日商簿記検定3級〜2級程度なので、日商簿記検定2級程度の知識があれば、公務員試験の会計学はかなり楽に攻略できます。
ただ、公務員試験の会計学で必要となる簿記の知識は、もっぱら商業簿記の分野であるため、工業簿記やその他試験に不要な範囲も含む日商簿記検定2級を会計学のためだけに事前に取得するというのは、明らかに非効率です。あくまで「公務員試験における会計学」ということを念頭において、簿記の学習について対策しましょう。
補足ですが、国税専門官試験に合格した暁には、採用されるまでの間に日商簿記2級の資格を取る必要があるため(資格がないと採用されないわけではないですが)、会計学学習の際に簿記を勉強しておけば、合格後のアドバンテージにもなります。
◆お勧め参考書
公務員Vテキスト 16 新版―国税専門官 会計学
(TAC出版/380ページ)
まずは、「国税専門官試験も駒のひとつとして合格しておきたい。そのためにもその場しのぎでいいから会計学もちょっと勉強しとかねーとな!」という受験生諸君にお勧めの参考書から紹介いたしましょう。
公務員試験会計学の参考書としては、TAC編集の公務員VテキストかWセミナー編集の公務員試験バイブルシリーズしかありません。どちらも約300ページとそこそこ分厚く、やはり予備校本の宿命か、独学向きではありません。が、バイブルに比べるとVテキストの方が幾分わかりやすさの点ではマシ。
「まぁ、うまくまとめてんじゃねーの?」ぐらいのレベルですが、過去問集で解らない部分が出てきた際の確認用としては、持っていて損はないでしょう。少なくともこれらの本を読破して会計学をマスターしようなどという非効率極まりない学習の仕方はやめときましょう。時間が腐るほどあるのなら別ですが。
ということで、「会計学その場しのぎ作戦」の諸兄は、このVテキストとスー過去の組み合わせがマル。というか、消去法でコレ以外無難なものは無いかと。
サクッとうかる日商3級商業簿記テキスト―7days
(ネットスクール株式会社出版本部/322ページ)
サクッとうかる日商2級商業簿記テキスト 改訂新版―7days
(ネットスクール株式会社出版本部/342ページ)
一方、国税専門官が第一志望であり、かつ比較的時間がある受験生は、どうせ試験に合格すれば採用に当たって必要になる簿記なんですから、会計学の勉強について公務員試験会計学用の参考書は敢えて使わず、簿記試験用のテキストで会計学の簿記部分を学習し、簿記以外の部分はスー過去演習でカバーするという戦略が最もCooLです。何度も言うように、簿記の知識があれば会計学は楽勝です。
そこで、簿記初学者にお勧めなのがこの「サクッとシリーズ」です。無駄が無いけど解りやすいと評判の本書は、簿記受験者にとってのバイブル的存在とまで言われる良本中の良本。問題もあるため演習も可能で、名前どおりサクサク簿記の理解が進む非常に独学に適した内容となっております。
もちろん公務員試験勉強においては「公務員試験の会計学」が焦点ですから、スー過去と見比べて公務員試験会計学に関連する項目のみを集中的に学習するという使い方が効率的。スー過去のみで戦うよりは格段に会計学の学習がスムーズに進みます。
なお、本書はテキスト編の姉妹本でトレーニング編もありますが、公務員試験勉強中に本気で日商簿記試験を受ける予定が無い限り、そこまでする時間も必要もないでしょう。
◆学習指針
国税専門官の志望度が低い受験生は、会計学はあっさり捨てましょう。負担がデカ過ぎます。以下は会計学を学習する場合の記述です。
日商簿記2級を持っている人やその程度の知識がある人は、過去問演習のみでOKです。一方、簿記の知識がゼロの方は、少なくとも簿記の知識が要求されるテーマについては「いきなり過去問演習」はやめた方が無難。
会計学については、まともな過去問集は新スーパー過去問ゼミ2ぐらいなので、過去問演習はこの問題集を使うことになります。
ただ、スー過去会計学は、レジュメについては例に漏れず秀逸なのですが、解説については条文をそのまま載せているだけなど淡白過ぎる点に問題があります。特に簿記の知識が要求される部分(各種計算書や計算表の分野)についてはスー過去の解説のみでは理解できないことが多く、何も考えずいきなり過去問演習に取り掛かると、会計学で挫折すること請け合いです。
したがって会計学の学習プロセスとしては、「無難型」(上記)の受験生は、TACのVテキストを用いながら新スー過去演習でしのぎます。
一方「本気型」の受験生は、新スー過去2の購入と同時に上記で紹介しているお勧めテキスト等を購入してから両方を見比べて、公務員試験で出題される簿記の範囲を見極めた上で、先に日商簿記3級と2級の商業簿記についてテキストで学習します。
テキストによる学習時にも、特に仕訳については、ノートや紙に書きながら、きちんと手を動かして勉強することを心掛けてください(仕訳は実は結構簡単で、1時間もあればなんとなくできるようになります)。そして公務員試験の会計学で出題される簿記の範囲をある程度理解したら、スー過去による過去問演習でアウトプット、という流れがベストだと言えます。
やはり実際的に、簿記の知識が全くゼロの状態で会計学に臨むのは効率を考えても避けるべきです。最低でも日商簿記3級レベルを理解した状態で、会計学に臨みましょう。なお、日商簿記1級にかかる問題も出題されますが、解ける人間は極僅かであろうし、会計学で満点を狙う必要もないので、時間帯効果を考えれば常識的に1級レベルの問題は捨てるべきです。
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