憲法
◆科目概要
憲法は他の法律科目に比べ条文数も覚える量も少なく出題範囲もある程度絞られてくるので、非常に学習しやすく試験での得点源とすべき科目です。
どの試験でも出題され他の法律科目の基礎となる科目である憲法は、公務員試験受験生ならほぼ間違いなく勉強してくる最重要科目の一つであると言えます。
つまり、どの受験生もある程度得点してくる科目なので、ここで差はつきにくく、よって憲法で大きくミスすることは致命的です。そして得点源とすべき科目ではありますが、決して簡単な科目ではありません。多くの受験生が対策してくる科目ですから必然的に出題レベルも高くなってきます。
実際に近年の憲法は難易度の上昇が著しく、判例の結論や数字を覚えているだけでは対応できなくなってきました。国家U種試験では国家T種試験と出題傾向が似てきており、やたらと設問が長かったり、「むしろ国語力の問題じゃねーか」などと思われるような読解力を要する問題が増えてきています。さらに司法試験の択一式設問のような、論理力を要求される難解な問題も出題されつつあります。
憲法は、大きく憲法総論、人権、統治機構の3分野に分けることができます。条文の出題が中心となる暗記要素の強い統治機構の分野に比べ、人権の分野は判例の結論のみならずその結論に至るまでの経緯や表現について細かく出題される傾向が強いため、理解力も要求されます。
近年は空欄補充問題や正しいものの組み合わせを選ばせる問題など新傾向の問題が出題されるようになってきましたが、こんなのは出題形式が変わっただけで必要な知識は従来と大差ないので特別な対策は必要ありません。過去問演習をしっかりこなしていれば、自然とこれらの問題に対応できる力は付いてきます。
◆お勧め参考書
○伊藤塾の「憲法」攻略ゼミ (伊藤真の公務員試験最速到達シリーズ)
(中経出版)
伊藤塾講師による講義調参考書。図を多数織り交ぜた見やすいレイアウトと解りやすい説明が定評の本書は、問題が載っていないためまさに「参考書」ですが、初学者にとっての導入本としては最適です。
競合する参考書としては、郷原豊茂の憲法まるごと講義生中継 決定版(TAC出版/591ページ)や公務員試験対策1冊で合格シリーズ1 憲法(弘文堂/663ページ)などがありますが、国2地上レベルでは本書(268ページ)で十分です。
というか、言ってしまえば憲法は参考書を読まずにいきなり過去問集に入って全く問題ありません。参考書を導入時に読めば確かに過去問演習にもスムーズに取り掛かれるでしょうが、スー過去などレジュメが優れている過去問集を使えばそれも大したメリットになりません。
したがって本書も、時間のある受験生や導入時に不安がある人が過去問演習前に読むか、また過去問演習時にわからない部分が出てきた際に利用するなど、最低限の利用に留めておくべきです。
「時間が無いし過去問からでいいや」と思う人は買う必要ありません。ちなみに私は購入したけど1ページも読むことなく試験を終え、合格後にパラパラ読んで「解りやすいな。コレ。」という感想を抱いた次第です。あー、お金もったいない(笑)
内容は初学者でも十分理解できる非常に読みやすく解りやすいものとなっており、分量も苦痛なく読みきれる程度なので、憲法の参考書として1冊買うとしたらこれでしょう。過去問だけでは不安な人におススメ。
◆学習指針
学習指針としては、既に述べたように、時間がなければいきなり過去問から初めて良し。法学部出身に限らず、理系出身の人間で全くのゼロからでも過去問から始めて問題ありません。
これは憲法が簡単だからというよりも、条文が多く複雑で根本的な理解が必要な民法などの科目とは違い、暗記部分が多く理解が必要な部分が少ない科目であるからだと言えます。
憲法は基本は暗記です。総論や人権では過去問に出てくる重要な判例を覚えて、国会や裁判所などの統治機構の分野はその機関の決まりや権能について覚えればいいんです。
あとは設問の意味や選択肢の内容を理解する国語力が要求されるわけですが、それも過去問演習を繰り返すことにより身についてきますし、公務員試験独特の言い回しや誤答を落とすコツも自然に解ってきます。もちろんその域に達するまでにはかなりの問題演習が必要になりますが、得点源とすべき憲法はそれぐらいやって当然だと言えます。
さて、憲法はいきなり過去問集から始めて良いと言いましたが、それゆえに解説が解りにくい過去問集や収録問題数が足りないクソ過去問集を最初に使うと奈落の底に落ちる恐れがあります。
使う過去問集は新スーパー過去問ゼミ2が一押しです。ウォーク問も解説が詳しく解りやすいですが、網羅性はスー過去が上です。そしてスー過去は何よりも各テーマごとのレジュメ部分が最高に良い出来なのです。スッキリしたレジュメにはそのテーマの重要ポイントが見事にまとめられており、収録されている厳選された問題がその重要ポイントに直接絡んでいるので、学習効果が一層高まります。
スー過去の使い方としては、1周目はレジュメ部分をマーカーなどでチェックしながらザッと一読し、過去問に取り掛かります。過去問に取り掛かると言っても、いかにスー過去のレジュメが優れていようといきなり問題を自力で解くのは厳しいので、設問と選択肢を全部読んで「これが正解じゃないかなぁ」などとちょっと考えてから(ここが重要。いきなり解答を読んでも「へぇ〜」で終わってしまい、頭に残らない恐れがある)解答を見ます。そして解説を読み、重要だなと思うところは解説の部分にマーカー。
どうしても解らない部分は飛ばすなり割り切って前へ進むことが重要です。1周目には解らなくとも2周目以降には頭の中で整理されてきて、案外あっさり理解できたりします。1周目は一通り全部終えて、その科目の概略を掴むことに専念しましょう。これは憲法にだけ言えることではなく、公務員試験勉強はまずざっと流れを掴むことが効率的な学習を行う上で非常に重要な作業なのです。
なお、選択肢の間違っている部分を正しく書き直したり重要事項を書き込んだりといった「正文化」の作業はやってもやらなくても構いません。自分に合っていると思う方を選びましょう。ちなみに私は正文化作業をした方ですが、良かったと思います。どうやら私にとっては手を動かして書き込みながら記憶する方が効率的だったようです。
今紹介した学習法では、確かに1周目はかなり時間がかかります。必修問題→ポイント(レジュメ)→過去問の流れで、1テーマに40分から1時間ぐらいかかるかと思います。例えば、一日に数科目勉強すると考えて、スー過去憲法を一日に2テーマずつ2時間でこなしていくというプランで進めるとすると、新スー過去2憲法は全部で28テーマあるので全て終えるのに2週間かかる計算になります。全テーマ終わる頃には最初の部分は結構忘れています(笑)。
しかし、2周目に入ると、1周目よりずっと早く学習できる事実に驚きます(当然ですが)。1周目でやったことが頭の片隅に残っており、かつ書き込みなどしていればその書き込んだ作業を思い出し、正答が何故正答で誤答が何故誤答なのかがスムーズに復習されてゆきます。3周目に入る頃には参考書を読むかのように過去問集を読み進めてゆくことになりますが、そこまで来ればしめたものです。個人差はありますが、3周やれば模試でもかなり高得点を狙うことができるようになり、それはすなわち本試験でも通用するレベルに達したと言うことになります。
なお、時間がある人は、毎日新しいテーマに入る前に前日解いたテーマをザッと復習するというような形で(イエロー本でいう横の反復)間をあけずこまめに復習するという作業をすると、より効果的でしょう。こうすると1冊を終えるのにさらに時間がかかってしまうため、時間がない受験生には抵抗があると思いますが、記憶作業としては非常に有効です。記憶力にあまり自信がない人は、憲法攻略はこの方法の方がむしろ早いかもしれません。
また、スー過去の設問番号の上にある★マークはその問題の難易度を表しますが、★★マークの問題は1周目は飛ばしてもかまいません。一通り終えてから挑戦すれば十分で、またその方が頭に残ります。★★マークにはマジで難しい問題の場合があります。最後に収録されている総合問題については、1周目は触らず、2周目以降の力試しとして解いてみてもいいと思います。
判例集も必要ありません。スー過去に収録されている判例を覚えればそれで十分です。過去問演習中に疑問に思った部分や気になった部分を確認するために利用すると言った目的で、参考書や判例集を持っておくというのも手ですが、時間が無い受験生は過去問集に手がいっぱいで、買っても恐らくそれらを使うことなく試験に突入することになるでしょう(実体験ですが)。
余裕がある受験生は、スー過去に飽きたら出たDATA問に移ると良いでしょう。難易度は高いですが、難化が著しい憲法ですからとことんやるにこしたことはありません。
近年難化しているといえど、憲法は頻出ポイントを押さえるなどしっかりと対策すれば満点を狙える科目です。学習法も過去問演習を繰り返すといった至ってシンプルなやり方なので、他の受験生に差をつけられないように要領よく学習しましょう。
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