計画を立てる前に

◆効率的な勉強法とは

 計画を立てるにあたって、公務員試験勉強を進める上での「効率的な勉強法」とはどういったものなのか、簡単に再確認したいと思います。

 心理学者のエビングハウスの忘却曲線は有名ですが、人間は、時間が経つとともに脳に記憶した情報を忘れていく生き物です。

 したがって、記憶を脳に長く定着させるには、同じ情報を脳(海馬)に繰り返し送り続ける必要があります。

 また、脳科学の研究によると、立て続けに脳に同じ情報を送り続けるよりも、ある程度の間隔をあけ、脳がその情報を忘れかけた頃に、再度その情報を脳に送った方が、記憶の定着が良くなることが証明されています。

 以上から、公務員試験勉強においては、「同じ問題集」を、「ある程度期間を空けて」「繰り返し学習する」、といった勉強方法が、記憶の定着という観点から非常に効果的な学習法であると言えます。

 ただ、人間の潜在的な記憶の保存期間は最長で1か月程度であるとも言われており、一度学習して記憶した内容は、その記憶が完全に消える前のなるべく1か月以内に復習することが望ましいとされています。

 学習すべき科目数がやたらと多い公務員試験勉強においては、1か月という間隔を空けずにそれぞれの科目を復習するという作業は時間的にも極めて困難です。

 しかし、少なくとも各科目の学習初期段階においては、可能な限り1か月以上の間隔を空けずに学習することを、計画段階で意識しておきましょう。

◆計画は「量」で立てる

 公務員試験勉強に限らず、ある到達点に向かって何らかの作業を具体的に進める場合は、原則として「時間」ではなく「量」で計画を立てなければいけません。

 「時間で計画を立てる」とは、例えば「今日は憲法を2時間学習する」といったような計画の立て方です。

 この場合、「@集中して多くの問題を解いた2時間」と、「A難問に苦労して1問しか解けなかった2時間」と、「Bボーッとテキストを眺めて終わった2時間」は、それぞれ内容は異なりますが、時間としては全て同じ2時間です。

 @であれば全く問題ありませんが、AやBのようなケースだと、学習が進んでいないのに勉強した気になってしまったり、計画が崩れたことによりやる気を失ったり焦りが生まれたりと、望ましくない状態に陥る危険性があります。これでは計画を立てたことになりません。

 一方「量で計画を立てる」とは、「一日何章、何テーマ学習する」とか「何ページから何ページまで学習する」といったように、具体的な学習量で計画を立てることです。

 この場合、計画通りに進まないこともありますが、計画内容が具体的である分、遅れている分(進捗状況)を具体的に把握できるし、それゆえ挽回の目安も立てやすく、計画の修正が利きやすいと言えます。

 「学習効率」の点でも、量で計画するメリットは大きいと言えます。

 「学習効率」とは、簡単に言えば「限られた時間内にどれだけ多くの知識を吸収することができたか」です。

 1日で勉強に充てることのできる時間なんてものはそもそも限られているため、学習量で計画した場合、「計画した量をできるだけ短時間に終えて、1日の総学習量を増やそう」という「学習効率を高めよう」という意識が自然に生まれます。それは集中力を高めるきっかけになり、必然的に学習効率が上がります。

 学習意欲を発憤させるための自分へのプレッシャー、すなわち自分に「制約」をかけるという意味で「時間を意識する」ことは極めて重要ですが、そもそも公務員試験において結果を決めるのは、「何時間勉強したか」ではなく勉強の結果として「どれだけ知識を身につけたか」です。

 まとめますと、「1科目を100時間勉強する!」よりも、「1科目の問題集を3周する!」方が、合格への近道だということです。

◆計画はあくまで目安

 さて、「計画は量で立てる」という、公務員試験勉強を進める上での計画作成の極意は解っていただけたと思いますが、ここで注意しておくべきことがあります。

 それは、「計画はあくまで目安であって、決して絶対視してはいけない」ということです。

 特に独学で初めて学習する場合、志望試験種に必要な科目を一通り学習し終えるまでは、いったい全部でどれぐらいの学習量になり、どれぐらい時間がかかるのか、正確に把握することは不可能です。

 「この量を終えるには概ねこれぐらいの期間を要する」といった程度に、大まかに推測することしかできません。

 そもそも、初めて使う参考書を終えるのに、どれぐらい時間がかかるかなんて厳密には分かるはずがないし、一度学習したことのある人でさえ、その日のコンディションにより完璧に計画通りに学習を進めるなんてことはまず不可能です。

 だからこそ、初めて学習計画を立てる際は、「あくまで目安として」立てて、「状況に応じて常に改善してゆく」必要があります。

 計画はあくまで計画なので、実際に進める中でどうしてもうまくいかない部分が出てくるのは当たり前です。そういうときには、学習が計画通りに進まないからといって投げ出すのではなく、なるべく計画に近い状況で進むよう努力することが大切なのです。

 立てた計画を目安に学習を進めて、予定通りに学習が進んでいるかどうかを常にチェックし、現実とズレが大きいようであれば修正しつつ、少しずつ計画の精度を上げ、「最適化」してゆくしかないのです。

 最初の1周は苦労すると思いますが、この「計画の最適化」という作業を続けることにより、2周目以降は1周目よりも遥かに効率的な時間の使い方が可能になり、無駄の少ない学習を進めることができるようになるはずです。

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