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スケジュール表の作成

◆目的

 受験勉強開始前の準備の最終段階として、"本試験までの残り期間に応じた具体的な学習計画の作成方法"と、その計画に沿った"全体的な学習の進め方"について、「スケジュール表の作成」という形で紹介したいと思います。

 学習計画というものは、本試験日までに必要な学習量を把握し、そのために向こう1か月間で何をすべきか、向こう1週間は、明日は、といった具合に、長期→中期→短期の順に具体的な目標学習量を設定するのが正しい計画の立て方です。

 ここでのスケジュール表とはつまり、「長期的な学習計画」を立てるために作成するもので、本試験までの残り期間に応じて、科目別の学習所要期間や勉強順序を一つの表に落とし込んで、「本試験までの期間にどれぐらいの勉強量を確保できるか」と、「いつまでに、何がどれだけ達成されていなくてはならないか」を、全体を通して大まかに把握することを目的としています。土木工事における工程表(工種別、作業別などに、所要日数や順序を整理して工事の完成までを表示した図表)みたいなものですね。

 この作業をしないと、全体を通した長期的な方針を立てることができず、合格までにどういうペースで学習を進めればいいのか予測することができません。このスケジュール表も、最初はあくまで「目安」という意味合いで作成し、勉強の進捗状況に応じて適宜修正してゆく必要があります。

 といっても、あまりにいい加減に作り過ぎて、計画と現実のズレが大き過ぎるようでは、スケジュール表を作成する意味はなくなってしまいます。

 例えば、一通り学習し終えるのにかかる時間は各科目によって異なるので、「1か月で憲法と民法と経済学を一通り終える」といったようなあまりに漠然とした計画の立て方では、頻繁に計画の大幅な修正が必要となり、途中で計画が破綻する危険性があります。

 したがって、スケジュール表を作成するにあたっては、科目別に学習所要時間を概算するなど、なるべく計画の精度(実現可能性)を高くするよう心掛ける必要があります。そうすることによって、この作業は短期的な学習計画を作成することにもなります。

 精度の高いスケジュール表を作成するという作業は、「期限内にすべきことを整理する」作業であるとともに、「目的の達成にどれぐらいの時間を要するかを予測する」作業でもあります。そして、学習所要時間を予測する上で、その予測の精度を上げる(計画と現実のズレをなるべく小さくする)ためには、ある程度短期的かつ具体的な計画を設定しなければなりません。

 要するに、スケジュール表の作成作業によって、学習の「短期計画の作成」「長期計画の作成」が同時に達成され、さらに「進捗状況の管理」が可能となるのです。加えて、しなければいけないことが目に見えていることから、「締切効果」による勉強のモチベーションの向上が期待できます。

 ただ、初めて学習する人にとっては、「これぐらいの勉強量ならこれぐらいの時間がかかる」ということを予測すること自体が困難であるため、以下でスケジュールの作成方法を参考に提示したいと思います。

◆目標学習量の設定

 まずは期限内に達成すべき具体的な「目標学習量」を設定します。

 合格という目標のために、本試験までに全期間を通して何をしなければいけないかを、科目ごとにそれぞれ具体的に決める作業です。目安としては、全科目とも「問題集1冊を3周」が最低ライン。主要科目なら「問題集4周+もう1冊」程度はこなしたいところです。

 例えば、憲法については「本試験までに新スーパー過去問ゼミを3周する」といった具合に、具体的な量で計画します。

 合格までに必要な科目別学習量は、本サイトの「筆記試験対策」の各科目のページを参考にしてください。

◆科目別の必要学習時間を予測する

 スケジュール表の作成にあたって、まずは1周目の学習を終えるのに(試験で出る内容を一通り学習し終えるのに)どれぐらいの時間を要するかを、科目ごとに予測します。

 予測の仕方としては、例えば実務教育出版の有名な過去問集である「新スーパー過去問ゼミ3」(以下スー過去)を使って憲法の科目を勉強するとき、目次を見ると全部で28テーマあるので、「1周目は1日2テーマのペースで学習するとして、1冊終えるのに2週間かかる」といった具合に、予測できる範囲で達成可能な勉強量を具体的に算出します。(導入本を読む場合はもちろんその分も考慮します。)

 ここで、1日あたり各科目につきどれぐらいの学習量を設定するかについては、次項の「1日あたり学習可能な科目数」と関連して、1日に確保できる勉強時間や本試験までの残り期間に応じて、現実的な目標にしなければいけません。

 また、実際に勉強してみないと、目標学習量が果たして達成可能な勉強量なのかどうかを予測することは難しいと思うので、例えば「スー過去」を使う場合であれば、ひとまず実際に科目別に数テーマ勉強してみて、1テーマを終えるのに概ねどれぐらい時間がかかったかを目安として、1日あたりどれぐらい学習できるのかを予測してみると良いでしょう。

 この科目別学習所要時間を予測するという作業により、「1日2テーマ学習する」といった短期の具体的学習量を計画することになり、さらに1週間から1か月といった中期的な計画の作成も可能となります。(1週間で憲法はスー過去を14テーマ終えて、民法はまる生(郷原豊茂の民法まるごと講義生中継 (TAC出版))を2冊読み終える、など。)

 1周目にかかる学習時間を予測したら、次は2周目以降の必要学習時間の予測をします。ここで、2周目以降は学習スピードがアップすることを考慮して、「1周目は1日2テーマだったから、2周目は1日3テーマの学習にペースアップして、1冊終えるのに10日かかる」といった具合に、学習進度とともに各科目の学習所要時間を短めに予測するようにします。

 以上のようにして、例えば憲法なら、1周目の学習には2週間かかって、2周目は10日、3周目以降は1週間かかる、といった具合に、科目ごとに1周目にかかる学習時間と2周目以降に要する学習時間を予測します。

 なお、当然ですが、この作業に入る前に、どの科目を学習してどの科目を捨てるか、またどの科目に最も力を入れるかをあらかじめ明確にしておくとともに、学習に使う参考書や問題集を科目ごとに決めておくことが必要です。これらを決めておかないと、そもそも科目別学習時間を予測することは不可能です。

 また、この作業はあくまでスケジュール表に科目別の学習計画を落とし込むことを目的としているため、「全科目を学習し終えるのに何時間かかるか」などを計算する必要は全くありません。計算したところでその通りにいくことはまずないし、勉強しているうちに「今何時間ぐらい勉強しているか」なんてことはどうでもよくなってきます。

◆1日あたり学習可能な科目数を予測する

 科目別の必要学習時間を予測したら次は、1日に勉強に充てることの出来る時間から、1日にどれぐらいの科目を学習できるかを予測します。

 これも実際に勉強してみないと予測しにくいと思いますが、例えば勉強開始当初は1科目の学習に一日1〜2時間程度かかるとして、時間に余裕がある学生でも教養科目・専門科目でそれぞれ2〜3科目程度の学習が1日あたり勉強量の限界だと思います。軌道に乗ってくるともう少しできるようになりますし、本試験間近だと必然的に1日に何科目も学習することになりますが。

 もちろん学校の授業に忙しい学生や時間の無い社会人ならもっと厳しくなるので、自分の置かれた状況に応じて柔軟に計画を考える必要がありますが、無理な計画は禁物です。

 特に、睡眠時間は絶対に削らないこと。また脳科学的な話になりますが、記憶というものは人が寝ている間に整理されます。寝ないということは、つまり脳に記憶を整理する猶予を与えないことになり、整理されない記憶は数日も経たないうちに脳から消えてしまいます。

 受験生の皆さんの中にも、睡眠時間を削って一夜漬けや徹夜でテストに臨んだ経験のある方がいらっしゃるかと思いますが、そうして頭に詰め込んだ内容というのはいつまで記憶に残っていたでしょうか。そういうケースに限って、覚えた知識はテストが終わるとすぐに頭からきれいに消えてしまったという経験は、思い当たるところがあるかと思います。寝ることは、覚えたことを脳に長く留めて置くための大切な行為なのです。

 また、人は寝ている間に情緒の安定や疲労回復にかかる様々なホルモンが脳内で分泌されるのですが、ホルモンが最も分泌される時間帯(夜の12時頃がピーク)に睡眠を取らないと、脳の回復が十分にされず、起床後の学習効率が大きく下がるといいます。だから、どうせ勉強するなら、夜の12時前には眠るようにして、朝早く起きてから勉強したほうが、学習効率が良いということになります。

 何より、寝不足で勉強に集中できないようではいつまで経っても学力が身に付かないし、勉強がはかどらないため計画を進めることが困難になります。受験勉強を効率的に進めるためにも、「眠ることも勉強のうち」と考えて、睡眠時間を削らない学習計画を立てるようにしましょう。

◆スケジュール表の作成

 「基本事項の整理」の記述内容と上記予測事項を踏まえて、「目標学習量」を確保する形でスケジュール表を作成します。

 また、計画を立てる前にの「効率的な勉強法」でも記述しているように、公務員試験勉強においては、「同じ問題集」を、「ある程度期間を空けて」、「繰り返し学習する」、といった勉強方法が効果的であり、各科目の学習導入時期は1か月以内の復習作業が推奨されます。それらを踏まえて学習期間を設定するよう心掛けます。

 なお、本試験直前の概ね1か月間は、「追い込み期間」として空けておくようにしましょう。本試験まで残り1か月となった時点での課題やウィークポイント等の克服、また模試の復習や本番形式の演習など、得点力のさらなる上乗せのために、集中して学習時間を費やす期間です。この期間を設定するのとしないのとでは得点力の伸びが全然違いますので、必ず「追い込み期間」を確保するようにしましょう。

 また、国税専門官など、1次試験で専門記述試験がある公務員試験を受ける場合、記述式試験対策は多肢選択式試験用の学習にメドが付いてからにしましょう。多肢選択式用の学習により、科目の概要や重要論点が掴めている分、記述式試験の勉強がスムーズになります。

 東京都T類のような専門試験全てが記述式である試験を受ける場合であっても、その他多肢選択式試験を採用する公務員試験を併願受験するのであれば、まずは多肢選択式試験対策が先です。もちろんその場合、志望順位によっては勉強の時間配分を調整する必要があります。

 人物試験等の2次試験対策については、1次試験対策の合間を縫って情報収集するなど出来るだけ早い時期に始めるに越したことはありませんが、本格的な対策は1次試験が終わってからでも間に合います。特に地方上級では配点比率の高い2次試験ですが、本試験まで残り期間が少ない場合は、ひとまず2次試験対策は置いといて、筆記試験対策に専念しましょう。

 最初に設定した全期間を通しての目標学習量を確保できないようであれば、中期的な目標学習量を増やし、それに伴い短期的な目標学習量を増やします。

 一方、十分目標学習量が確保できるようであれば、もう少し余裕を見るかさらに上乗せする、といった感じで、目標学習量の実現可能性を考慮しつつ、本試験までの残り期間に応じて長・中・短の各スパンで計画を調整する作業が必要になります。

 「計画の立て方」でも述べたように、注意すべきは、とても達成できないような無理な計画は立てないこと。達成可能なギリギリのラインを10としたら、7〜8程度の計画にとどめておくのが理想です。

 したがって、ある科目を1周するのにかかる学習所要時間を2週間と予測しても、同じ学習量を20日間ぐらいでこなすようなスケジュールにする、といった具合に、ある程度幅(ゆとり)をもたせて計画するようにしましょう。

◆スケジュール表参考例

 作り方の記述だけだと今いちピンとこない方もいらっしゃるかと思いますので、わたくしファーバーが、次項以降に1年計画6か月計画の2通りのスケジュール表の参考例を適当に作成いたしました。

 国家公務員一般職、地方公務員上級試験の合格を目指す例で、試験がある年の6月下旬までの計画で作成しておりますが、当サイトでは「捨てる」としている科目や、経済事情やら社会事情やらの他の類似科目の学習で代用できるコマゴマした科目は省略するとともに、教養科目についても、世界史、地理だとか数学、物理だとかの単科目ではなく、人文科学や自然科学といった一括りの形で表現しています。

 人物試験対策についても、当然可能な限り筆記試験対策と並行して進めなければなりませんが、ここではスケジュール表への記載は省略いたします。

 また、現役受験者なら大学の試験、社会人なら仕事など、公務員試験勉強をほとんどできない期間があると思いますが、それもここでは考慮いたしませんので、ご了承願います。

 なお、これはあくまで参考例なので、便宜上、各科目とも基本的に「新スーパー過去問ゼミ」のテーマ単位(章ではありません)の学習量で計画しています。ただし、いきなり過去問演習ではなく導入本を読むことを推奨している科目については、その分も考慮しています。(例:新スーパー過去問ゼミ3の民法1は全部で21テーマ、民法2は18テーマなので、1日あたり2テーマ学習するとしたら、民法科目の過去問演習所要期間は39÷2≒20日間。民法1、2とも過去問演習前にまるごと講義生中継を読むので、それぞれ5日以内に読むとして、民法科目の総学習所要期間は30日間。学習初期は余裕を持たせて40日間で計画する。etc)

 ただ、学習初期はかなり余裕を持たせて学習所要期間を設定している一方で、2周目以降は演習速度が上がっていることを考慮して、所要期間を短くしております。

 まぁ、「こんな感じで作るといいよ」といった程度の内容なので、ここでの参考例はあくまで参考程度に見ていただき、実際にご自分のスケジュール表を作成する際は上記省略事項もきちんと考慮して、自分専用のスケジュール表を作成してください。

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